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はいっ!真さん。うっう〜!高槻やよいですっ!みなさんハイターッチ!
本当は私が響さんとお話して最初に紹介するはずだったんですけど、なぜか千早さんが早く来ていて響さんと話していたんですよね?どうしてでしょう?
あ、えっと、それはこっちに置いといて。私は『密柑屋やよい』っていう役で伊織ちゃんの妹なんですよ。えへへへ。それで、フラットVの中ではスピードの『まな板ネーブル』を演じています。
そんな私が紹介するのは、まな板ネーブルの必殺技「連続ハイタッチ」ではどうしようもなくなっちゃって、困っていてお姉ちゃん役の伊織ちゃんと買い物に出かけて〜ってシーンです。とっても楽しかったんですけど、時間的にカットされちゃったんです。ちょっと残念でした。でもここで見て貰えるので嬉しいですっ!
えっと、本編では「特訓開始!」って言ってから千早さんと真さんとこぶしを合わせてハイタッチしあったところと、その一週間後。っていう間になります。
それでは、どうぞ〜!いえいっ!
スーパーナムコヤで買い物を終えたやよいと伊織は、夕焼けの綺麗な景色の中、商店街を歩いていた。
「あうぅ、特訓って言っても、連続ハイタッチはダメだし、どう知れば良いかわからないよ〜!」
エコバッグを持ちながら、やよいは頭を抱えていた。
「やよいっ!タマゴが落ちちゃうワ!?」
「はわわわっ!」
パシッ
伊織の言葉に我に返ったやよいは、地面すれすれのところでタマゴのパックの片方を掴んでいた。反対側を伊織が持っていてギリギリセーフだった。
「ふう、危なかったワネ。」
「うぅ、ごめんなさいお姉ちゃん・・・。」
エコバッグにタマゴを入れ直しながら言う伊織にやよいは涙目になって謝っていた。
「良いのよ、やよい。まあ、悩むのは分かるケド・・・。」
「ん?けど?なに?お姉ちゃん?」
伊織の言葉が途中で止まったので、やよいは不思議そうに聞いた。
「気分転換も必要ってコト。にひひっ♪」
「???」
やよいはにっこり笑って言う伊織の言葉の意味が分からずに小首を傾げていた。
駄菓子屋にある古いゲーム機の前に2人は来ていた。
「うっちゃり大相撲?あっ、これ10円だわ。コレにしまショ。はいっと。さあ、やよい、好きに遊んでいいわよ。」
「えええっ!?わ、私、よ、よく分からないよっ!?」
急に勧められたやよいはワタワタしながらレバーを握ってボタンをペコペコ押していた。
「あうぅぅ・・・。あっという間に負けちゃって後がないです〜。」
すぐにやられてしまったやよいは、涙目になって頭を抱えていた。
「ん〜っと、連打すれば百烈張り手・・・ネ。ちょっとアタシに代わりなさい。大丈夫になったらまた代わるから。」
「うん、うん。お願い、お姉ちゃん。頑張って!」
伊織は日焼けした説明書きを見てから、やよいと交代した。
「見てなさい、やよい。お姉ちゃんの力見せてあげるワ。」
『ドドドドドドドスコイッ!!!』
「うわぁっ!スゴイ張り手ですっ!相手が吹き飛んじゃいましたっ!?」
伊織の操っている力士が目にも止まらない張り手を出すと、何回か食らった相手が突然画面端まで吹き飛んだ。
「にひひっ♪見た、やよい?これが「百烈張り手」っていう技よ。え〜っと、横綱になるまでは連敗しなければゲームオーバーじゃないのネ・・・。はい、やよい交代よ。とにかくボタンを連打よ、イイワネ?」
「うんっ!わかったっ!」
それから、やよいは伊織よりも早い連打で、百烈張り手を出し続けて連勝を続けて言った。
しかし・・・
「はぁ・・・はぁ・・・お姉・・・ちゃん・・・疲れたよ〜・・・。」
一生懸命連打していたやよいは疲れて、息を切らしながら伊織に助けを求めた。
「ちょ、ちょっと待って。え〜っと、なになに・・・。レバーを左に倒してから右とボタンで飛びマゲ???」
「おねえちゃ〜ん!もう限界だよ〜・・・。あうぅ、負けちゃった〜。」
伊織が説明を読んでいる間に、やよいは限界が来てボタンを押す手が止まってしまい負けてしまった。
「交代よやよい。おねえちゃんに任せて、休みながら見てなさい。」
「うん・・・。」
伊織はやよいを気遣いながら、交代するとさっき読んだ通りに左にレバーを倒して右とボタンを押すと
『どっすこいっ!!!』
掛け声と共に力士が空を飛んで頭突きした。
「飛びマゲってこういう事だったワケ!?」
「うわっ!すごいですっ!?吹き飛ばされた相手が画面中飛び回っちゃってるよっ!」
伊織も見ていたやよいも驚きの声を上げていた。
少しの間、ボタン連打の百烈張り手と飛びマゲで伊織が連勝して言っていた。
「やよい、そろそろ、大丈夫カシラ?」
「うん、もう休んだから大丈夫だよっ!じゃあ、お姉ちゃんと交代。えへへっ♪」
交代したやよいは、最初の相手を百烈張り手であっけなく倒したが・・・
「あれっ?あれっ?飛びマゲでないよっ???」
「やよい、ボタン押すのが早すぎるのヨっ!」
「えっ?えっ!?ぼ、ボタンがなに?お姉ちゃん?って、あああっ!?負けちゃったぁ〜・・・。」
飛びマゲが上手く出せなくて混乱したやよいはあっけなく負けてしまった。
「とりあえず、アタシが代わるから、他にもないか説明書を読むのヨ!」
「うん、分かったっ!」
再び交代して、伊織は楽な飛びマゲを使って勝っていく。
「え〜っとぉ・・・。スーパーうっちゃり・・・。レバーを素早く上にいれて、にゅーとらる?に戻す。最強の技って書いてあるよ?」
「分かったワ、やってみる。アラ?出ないわね?ああっ!レバーが上にはまっちゃったワ!?」
「お姉ちゃん!危ないっ!」
「えっ?あっ!キーーーッ!負けたワ!悔しいっ!!!」
レバーが上に倒れたまま戻らなくて、伊織は負けて悔しがっていた。
「ちょっ、ちょっとコレ、戻らないじゃないのっ!」
「お姉ちゃん、私がやってみるよ。ところで、にゅーとらるってなに?」
「持たない時に最初にある場所の事を言うのよ。分かった?頼んだわよ、やよいっ!」
次の取り組みが始まって、慌てて伊織はやよいと入れ替わった。
「えいっ!」
カカッ
やよいが気合を入れてレバーを入れると、動いて上に入れてからすぐニュートラルの位置に合わせる。
「あっ!光ったワ!相手をうっちゃって、土俵の外へ出して勝ったわっ!これがスーパーうっちゃりなのね。やるじゃないの、やよい。」
「えへへへ〜。」
褒められたやよいは、照れ笑いしていた。
それから、やよいは百烈張り手とスーパーうっちゃりを併用して、伊織は飛びマゲ使用して交代しながらやっている内に・・・
「お姉ちゃん、なんかさっきまでと違う音楽が流れてきたよ?」
「どうやら、横綱を倒す時が来たようね。アタシの番だけど、ここはやよい、アンタがやりなさい。」
「うん、分かった。やってみるっ!」
真剣な伊織の言葉に、やよいは力強く頷きながら返事をした。
取り組みが始まって、百烈張り手を出しても、横綱はびくともせず、スーパーうっちゃりをやっても、横綱の体勢は全く崩れなかった。
「おねえちゃ〜ん!横綱強いよ〜。技が効かないよ〜。どうすれば良いの?」
「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ。何かないか見るから・・・。あら?昔のゲーム雑誌の切り抜きだわ・・・。えっと、横綱を倒すには・・・。百烈張り手を10回当てて、よろけたところをスーパーうっちゃり。聞こえたやよい?」
「うんっ!」
やよいは、返事をした後、ボタンを連打した。
「アラ?注意書きがあるワ?なになに、しかし・・・・百烈張り手を11回以上当ててしまうと横綱が怒って勝てなくなってしまう。ですって!?」
伊織は読み終えて目を真ん丸くして驚いていた。
「お姉ちゃん、横綱真っ赤になっちゃってるよ、どうすれば良いの?」
「ええっ!?やよいアンタ何回当てたの?」
「えへへ、え〜と20回くらい?」
やよいは困った笑いを浮かべながら自信無さそうに答えていた。
「ぶはっ、当て過ぎよやよい。11回以上当てると横綱が怒って勝てないって描いてあるのよ。」
「ええっ!?じゃあ、もうダメなの?うぅ、ここまで頑張ったのに・・・。ああ、もう土俵際で何も出来ないよ・・・。」
やよいは、絶体絶命になっているのを見て、しょんぼりしていた。
「大丈夫よやよい、今こそ本当のスーパーうっちゃりよっ!」
「えっ?どういうコトお姉ちゃん?」
意味が分からなかったやよいはキョトンとしながら聞いていた。
「良いから、ギリギリまで我慢して、もうダメってところでスーパーうっちゃりを出すの、いい?」
「うっ、うんっ!」
伊織に言われて、やよいは画面の方をじ〜っと見て、横綱の猛攻を凌いでした。それでも、俵に足がかかって、最期の駄目押しになる横綱の突き押しが来て、もうダメかと思った瞬間、やよいは無意識にスーパーうっちゃりのコマンドを入れていた。
すると画面中が急に光り出す。
「なんな訳?眩しい・・・。」
「なっ、なにこれ?まっ、まぶしいよっ!?」
その光が、伊織のオデコに反射して更に威力を増した光がやよいと辺りを包みこむ。やよいは思わずレバーとボタンから手を離して目を覆った。
光が収まると、元の薄暗くなって来ている景色に戻った。
『どうなったのっ?』
やよいと伊織はハモリながら、食い入るように画面を覗き込んだ。
【大関ねえぶる山 横綱撃破 横綱昇進】
『やった〜〜〜っ!!!』
画面に大きく出た文字を読んで、やよいと伊織は喜びの声を上げながら抱き合った。
「流石は、お姉ちゃん!あんなすごい勝ち方出来るんだねっ!」
「えっ?あ、そ、そうね。とっ、とっておきなんダカラ。」
(まさか今更口からデマカセなんて言える状態じゃないワ・・・。)
伊織はちょっと目を逸らしながら言っていた。
ウィーン、ガッチャン!
『???』
突然音がして我に返った2人は何の音かと思ってキョロキョロしていた。
「あっ!お姉ちゃんガムが出てるよっ!」
やよいが先に気が付いて、ゲーム機の下にある部分からガムを取り出して、伊織に見せながら嬉しそうに言った。
「あら、なにか書いてるワネ?『横綱昇進の時と、横綱在位6場所になった時に景品が出ます。』だって。よ〜し、やよいが頑張ったんだから、後はアタシが5場所くらいかる〜くクリアして景品をゲットよ!」
「うんっ!頑張ってお姉ちゃん!」
それから、伊織のプレイが順調に進んで、ついに、5場所目の千秋楽を迎えた。
「ふふんっ!もう横綱は倒してるし、このへなちょこ小結を倒せば景品よ。」
「ドキドキ・・・ワクワク・・・。」
余裕の言葉と表情の伊織の隣で、やよいは目をキラキラ輝かせていた。
「まっ、こんなヤツ、テキトウにやっつけてやるワ、何か技はないカシラ?」
伊織は、チラチラ画面と説明書きを見比べていた。
「あら?そういえば、レバーの下ってどこにも説明書いてないわね?どうなるのかしら?えいっ!」
ブッブーッ!!!
「ひわぁっ!?」
「キャッ!?」
伊織がレバーを下に入れると、いきなりすごい駄目だし音がして、やよいも伊織も驚いて声を上げていた。
「ああっ!おねえちゃん、ねえぶる山自分から手を突いちゃってるよっ!」
「嘘っ!?そ、そんなバカにゃ〜〜!!!」
やよいの慌てて言う言葉に、伊織はその場で叫ぶと、画面には『終』と大きな一文字が出てゲームオーバーになっていた。
「キーーーッ!なんなのよそれはっ!」
「駄目だよ、お姉ちゃん!台に当たったら。」
「離してやよいっ!納得いかないわっ!」
しばらく怒った暴れている伊織と止めようとしているやよいはもみ合いになっていた。
「だけど、景品残念だったね・・・。」
「そうね・・・。ごめんねやよい・・・アタシが余計なコトしなければ・・・。」
ポツリと言ったやよいの一言で冷静になった伊織は俯きながら謝っていた。そこで、2人で静かになって俯いたままになっていた。
「あっ!でも、お姉ちゃんガムがあるよっ!」
「あるケド、1つしかないでしょ・・・。」
「えへへっ、こうすれば2つだよ。はいっ、お姉ちゃん。」
やよいは、ガムを包み紙から出して、半分に折ると、片方を伊織に差し出した。
「やよい・・・。にひひっ、ありがと。」
「うんっ♪」
2人はガムをかみながら笑顔になっていた。
商店街を抜けて、電灯が灯っている住宅地をやよいと伊織は歩いていた。
「は〜、暗くなっちゃったね、お姉ちゃん。」
「そうね、やよい。ゲーム面白かったし、ヒントあったと思わない?」
「ほぇ?ひんと?」
カムを膨らませていたやよいは目をぱちくりしながら聞いていた。
「あの百烈張り手って参考にならないカシラ?」
「百烈張り手?参考?」
今度は小首を傾げながら不思議そうに聞いていた。
「んもう、しょうがないワネ・・・。と、その前に・・・。」
(こんな可愛いやよいを見て何もしないなんてありえないワ!)
ギュッ!
呆れてから、伊織はおもむろにやよいを抱きしめた。
「えっ?えっ?えっ?」
さっぱり訳の分からないやよいは首を何回も傾げながら抱きしめられていた。
「さて、本題に戻るわね。」
「う、うん?」
伊織はやよいを離してから、真面目な顔つきになって言ったのを見て、やよいは中途半端に頷いていた。
「さっき、悩んでたでしょ。連続ハイタッチじゃ駄目だって。」
「あっ!そっかっ!百烈ハイタッチが出来ればってことだよね?お姉ちゃん?」
今までの疑問が晴れた、やよいは目を見開いて聞いていた。
「ま、そういうコト。ただ、それが出来れば苦労しないとは思うケド。」
伊織は答えた後、少し苦笑いしながら言っていた。
次の日『研究所地下・秘密の特訓場所』
「百烈ハイターッチ!!!」
やよいは掛け声と共に、すごい速さで人形をどんどん一ヶ所に集めていた。
「ちょっと、こんなの出来すぎでショ・・・。」
伊織は信じられないと言った表情で見ながら、呟いていた。
「出来たよっ!お姉ちゃ〜ん!!!えへへっ!」
やよいは、伊織にブンブン両手を振りながら、笑顔で言っていた。
どうでしたか?こうして、『まな板ネーブル』の新必殺技『百烈ハイタッチ』が生まれたんですっ!
この「うっちゃり大相撲」っていうゲームは本当にあるもので、撮影の前に伊織ちゃんと一所懸命練習したんです。私は本当に飛びマゲがちゃんと出せなくって。えへへ。
伊織ちゃんが途中で言っていた、口からデマカセっていうのは、2億何分か1の確立で出るらしいですよ?
実は撮影の時は本当にゲームやっていて、ねえぶる山が横綱になった時は本当に嬉しかったですっ!伊織ちゃんと2人で頑張ったのも凄く楽しかったし、とっても楽しい撮影でした。
では、次はあずささんですっ!後を宜しくお願いしますっ!
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