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は〜い。こんにちはっ、天海春香です。私は『杏春香』という役名で、律子さん演じる秋葉原律子さんは恩人で、憧れを抱いています。
ここだけの話ですけど、律子さんの演じる2役は結構地だと思うんです。普段と怒った時みたいな感じなんですよ〜。あっ、すいません、時間ですか?
では、悪役5人の買い物に行った後の喫茶ことりでのカットされたシーンをお送りします。どうぞっ!
喫茶『ことり』
「ご、ご馳走様でした・・・。」
「うぷっ、ご、ごちそ・・・。」
「春香、無理に言わなくて良いから。」
空になったカレーの皿を前に、青い顔をしている春香に千早は心配しながら言った。
「では、下げますね。」
「亜美真美の量があんなに多いとは思わなかったわ・・・。」
小鳥に下げられていく自分の皿と二倍くらい大きなカレー皿を見ながら千早は呟いていた。
春香の方は頷く事すら出来ずに、その場に青い顔のまま硬直していた。
「やよいたちは来ない様だし、今日はお互い帰りましょう。私は先に帰るけれど、春香はしばらく休んでからの方が良いわ・・・。」
千早は立ち上がりながら、ちょっと気の毒そうに硬直しっ放しの春香を見て言った。
春香の方は相変わらず頷けずに、顔が青さを通り越して土気色になっていた。
「それでは、小鳥さんお会計はこちらに。ご馳走様でした。また明日来ますけれど・・・。春香の事お願いします。」
「はい、分かりました。暗いから気を付けてね。」
小鳥は一礼して出て行く千早を笑顔で見送った。
「さて、と。」
相変わらず全く動けないでいる春香を苦笑いしながら見た小鳥は、奥に入って折りたたみ式の簡易ベッドを持って来て、春香をそっとそこへ寝かせた。
「す、すいま・・・うっ!?」
「そのままゆっくりしてて良いからね。」
慌てて両手を押さえる春香に小鳥はやさしく言った。
「律子さんも、このベッドで良く横になっていたわね。」
「っ!?」
懐かしそうに言う小鳥の言葉に、春香は驚く。
「律子さんはね、学生の時からここに通っていたのよ。レポートの時や、今も色々忙しい時はこのベッドで泊まって行くのよ。最初持ち込まれたものだったけれど、すっかりここの備品の1つになっているわ。うふふ。」
ことりの言葉に、春香は興味津々の表情で聞いていた。
(あ・・・。律子さんの匂いがする・・・。あ・・れ・・・?)
春香は気が付くとポロポロ泣いていた。昔、路頭に迷いそうになっていた時に、助けてくれた律子へすがって泣いていた事を思い出すと、涙は堰を切ったように溢れていた。
「大丈夫よ春香ちゃん。律子さんは必ず戻ってくるわ。ね?」
笑顔での小鳥の言葉に、春香は小さく頷いて、少しすると安心して眠ってしまっていた。
どうでしたか?律子さんを思ったり絡むシリアスなシーンは多いけど、カットされやすいのがちょっと残念です。実際には主役の3人と直接関わる事が少ないので、上手く演じられてたらいいかなって思います。それでは、次の紹介は、四条貴音さんです。よろしくお願いします。
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