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はい。承りました、天海春香。皆様こんにちは。四条貴音です。劇中では『麗将ジョウネ』役を勤めさせて頂いています。
悪役という事で最初は気乗りしなかったのですが、他のメンバーとのやりとりやとても家庭的な雰囲気が良く今では楽しく演じさせて頂いてます。
今回はカットされたシーンで、なおかつ私が好きなシーンをお見せ出来るという事で嬉しく思っております。
それでは、祝杯から次の日の朝食シーンまでをお送りいたします。それでは、どうぞご覧下さい。


祝杯も終わって殆どを綺麗に食べ終えていた。
「そういえば・・・粉はどうしたのです?まさか、外にばら撒いたわけではないですよね?」
ジョウネがふと気が付いたように、少し厳しい表情になってアキバランに聞く。
「いえ、そのような事はしておりません。ジョウネ様が近所迷惑になってはとおっしゃっておりましたので。ただ、どうしようかと思っているのが正直な所です・・・。」
「この指定のゴミ袋に入れて〜、いつ捨てれば良いか役所に聞きに行きましょう。上手く行けば明日の燃えるゴミの日に出せるかもしれませんから〜。」
「は、はぁ?」
アキバランは、ごくごく自然にゴミ袋を出してくるチチゲルゲに呆気に取られた感じでいた。
その後、吸い込んだ右手から出て来た白い粉は、ゴミ袋に10袋一杯になっていた。
「どう致しましょうか?」
「外に出すのか?」
「いえ、迷惑になりますから、今夜はこの部屋の中に置いて明日捨てる算段をつけましょう。」
アキバランとヒビッキーの言葉にジョウネが答える。
「アキバラン。小さな袋に入れられるくらい残っているかしら〜?」
「は、はい?」
「では〜、この小さな袋に白い粉を入れて下さい〜。」
「かしこまりました。」
アキバランは不思議に思いながらも、差し出された小さなビニール袋に残った少しの白い粉を右手から出して入れた。
「これで〜、役所の人に見せれば判断してくれます〜。」
「そ、そうですね・・・。」
今日の戦闘での勇姿などを見ていたアキバランは、チチゲルゲのギャップに複雑な表情になって答えていた。
「お腹一杯で眠くなってきたの・・・。あふぅ。」
ビセイはほっぺたにオードブルの玉子焼きの破片をつけたまま、横になってあくびをしていた。
「ビセイ様、口の周りに玉子焼きが・・・。」
「アキバラン取ってなの〜。ビセイ、もう眠く・て・・あふぅ・・・。」
返事をした後、瞬間的に寝息を立ててしまったビセイの口の周りをアキバランは丁寧に拭いていた。
「仕方ないわね〜。でも気分も良いし、お腹一杯だから気持ちは分かるわね〜。私も眠くなってしまったわ〜。」
チチゲルゲも軽くあくびをしながら言う。
「そうですわね。ビニール袋が邪魔ですが、今宵一晩の辛抱。眠ると致しましょう。ヒビッキー、押入れから布団をお願いしても良いかしら?」
「分かった。よっと。」
ジョウネに言われたヒビッキーは返事をしてから布団を出して敷く。
「部屋が狭いので、私は浮いて眠る事に致します。」
「そうなの〜?」
「え?ま、不味いのでしょうか?」
気を遣って言ったアキバランだったが、物凄く寂しそうに人差し指を唇に当てながらチチゲルゲが言うので慌てていた。
「気遣いは良いと思うのですが、どうやらチチゲルゲは一緒に眠りたいようなのでお付き合いして頂けますか?アキバラン。」
「はっ、喜んで。」
ジョウネに言われて、アキバランは軽く頭を下げながら答えた。
「じゃあ、全員で寝てから適当に掛け布団かぶれば良いな。ビセイを先に寝かせてっと。自分も寝るぞ〜。今日は楽しかった〜。」
先にビセイをそっと置いて、ヒビッキーはその隣に横になる。
「では、私はビセイの隣に。」
「ん〜、ビセイの隣を取られちゃったわね〜。じゃあ、私はビセイの上よ〜。」
ぽにゅん
「んぅ〜・・・。」
チチゲルゲに上に乗られた、寝ているビセイが顔をしかめる。
「では、私はヒビッキーの隣に・・・。」
「自分の上で、チチゲルゲの隣で構わないぞ。」
ヒョイ
ヒビッキーはそう言うと自分の上にアキバランを乗せる。「うふふ〜、狭いけど〜みんな一緒で嬉しいわ〜。」
チチゲルゲは満足そうに笑顔で言いながら部屋の電気を消した。

大木荘202号室
トントントン・・・
「ぅん・・・?」
アキバランは小気味良い音に目を覚ました。
(あれ?動けない?)
起き上がろうとして、動けなかったアキバランは、首だけ動かして周りを確かめる。
右隣にビセイ、左隣にヒビッキーが寝ている。2人ともしっかりとアキバランを両手で抱え込むようにしていたので身動きできない状態だった。
その後音のした方を見ると、台所にチチゲルゲとジョウネのエプロンをした後ろ姿が見えた。
「あら〜?アキバラン起きたのね〜?」
「は、はい。申し訳ございません。」
「問題ありません。ビセイとヒビッキーを起こさないと動けないでしょうし。2人を起こして布団をたたんでテーブルを出して下さい。チチゲルゲ、味噌汁は出来上がりましたわ。」
「は〜い、アジの開きの人数分は〜、もう少しで焼けますよ〜。ところで、アキバラン。」
「はっ、はいっ!?」
少しポカンとしていたアキバランだったが、急に真剣な表情に変わってチチゲルゲに呼ばれて、緊張していた。
「卵は生?玉子焼き?目玉焼き?どれが良いかしら〜?」
「えっ?あ〜、え〜と、甘い玉子焼きで宜しいでしょうか?」
「は〜い。分かりました〜。では、2人のことはお願いね〜。ジョウネ、お味噌汁が終わったのなら、納豆とのりを出してね〜。」
「かしこまりました・・・。」
(何でこんなに庶民的な・・・。しかも当たり前のように・・・。世界を征服しようという方々なのに・・・。)
自然なやり取りを見て返事をしたアキバランだったが、少しの間苦悩していた。
「ビセイ様、ヒビッキー、起きて下さい。」
羽交い絞め状態になっていたので、アキバランは耳元まで顔だけを動かしながら、お越しに掛かった。
「あふぅ・・・ん〜、キャラメルマキアート〜・・・むにゃむにゃ。」
「あと5分・・・。」
ビセイもヒビッキーも反応はあったが、起きる気配が無かった。
「仕方ない・・・。」
バヂッ
『っ!?!?』
アキバランの両手に黒いイカヅチが出ると、ビセイとヒビッキーが軽く感電してびっくりした顔で目を覚ましてキョロキョロしている。その2人とも爆発ヘアーになっていた。
「あはははっ、ヒビッキー、その髪型ヘンなの!」
「あっはっは、ビセイも変だぞっ!」
2人はお互いを見合ってアキバランから手を離して、お腹を抱えながら笑っていた。
開放されたアキバランの方は、布団をたたんで押入れに入れてから、立てかけてあったテーブルを真ん中に置く。
「朝ご飯ですよ〜。3人は顔と手をちゃんと洗ってね〜。」
「あふぅ、ふぁ〜い。」
「うん、分かった。」
「はい。」
チチゲルゲに言われて、返事をした後、ビセイ、ヒビッキー、アキバランの順番で流しの前に並んで顔を洗い始めた。
その間に、チチゲルゲとジョウネが全員の食事と調味料などを手際良くテーブルに並べていく。
少しして5人がテーブルに揃う。
「それでは〜、いただきま〜す。」
『いただきます。』
チチゲルゲにあわせて、全員で手を合わせて言った後食べ始める。
「また魚の干物なの・・・。ビセイ骨取るのメンドウなの〜。骨が無いフライがいいなって思うの。そう思わない、ヒビッキー?」
「ん?ひゃにが?」
ビセイに聞かれたヒビッキーはアジの開きを頭からくわえてバリバリ食べていた。
「な、何でもないの。」
目をぱちくりしながらビセイは答えていた。
「ビセイ、好き嫌いは駄目ですわ。」
「そうですよ〜。食べられるだけでも感謝よ〜。」
「むぅ、だぁってぇ〜。」
ジョウネとチチゲルゲからいわれて、ビセイは口をとがらせながら言っていた。
「ビセイ様、魚にはいろいろな部分を成長させる栄養素が沢山含まれています。きちんと食べれば、ジョウネ様やチチゲルゲ様のような素敵なプロポーションに。少なくとも私やヒビッキーは上回れるかと・・・。」
見ていたアキバランはビセイの耳元で囁いた。
「っ!?ビセイ食べるのっ!」
言葉を聞いたビセイは、さっきまでの態度が嘘のように、悪戦苦闘しながらもアジの開きをちゃんと食べ始めた。
「あらら、今までちゃんと食べてくれなかったのに〜!?」
「本当ですわ・・・。アキバラン、魔法でも使ったのですか?」
「ふふ、そうですね、魔法、かもしれません。」
驚いているチチゲルゲとジョウネに、少し笑いながらアキバランは言っていた。
その間も、無言のままヒビッキーはモリモリ食べていた。


はい、如何だったでしょうか?私は今失われつつあるみんな揃っての朝ご飯という、このシーンがとても気に入っております。不思議とチチゲルゲ役の三浦あずさが姉で、ビセイ役の美希が妹といった風に本当の家族のようで、一緒に食事をしているとホッとした気分になります・・・。
はっ!申し訳ございません。私とした事が、ちょっと浸ってしまいした。
あ、あのっ、そ、それでは、次に引き継ぎたいと思います。美希、お願いします。


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