計略

保積 賢  逆井 唯  矢崎 超炎
5月19日 16:30

生物部の部室。言わずと知れた生物室である。中で何やら三人話している生徒達がいる。二人の男性と一人の女性である。
「部長。本当に計画を実行するんですか?」
そう聞いたのは矢崎 超炎。
「しかし、何も人殺しだなんて・・・。不味いんじゃないんですか?」
紅一点綺麗な顔立ちの逆井 唯も言う。
「あの女は絶対に許さん。私に恥をかかせた報いだ。それにだ、今回も不味い事になっているからな。あの女あなどれん。それに・・・山名もな。」
そう言って保積 賢は唇を噛んでいる。
去年危うく使い込み事件で自分の名が挙がりそうになったのである。
そして、賢は続ける。
「それとも私の立てた計画は穴だらけで不満か?唯、超炎。」
二人はすぐに首を横に振った。しかし、行動とは裏腹に不安である事には変わりは無かったし、人殺しというのは不味いと思っていた。
それを賢が分かっているかいないかは分からない。知ってて知らん振りをしているのかも知れない。
首を振った二人を見て再び賢は口を開いた。
「これから、細かい所を説明する。抜かりの無いようにな。」
二人はただ黙って説明を聞いていた。

15分後説明は終った。
「つまり、二人には証人になって貰うだけだ。一番の不安要素は私がやる。だから心配しなくていい。」
そう言って賢は口元だけニッと笑った。
唯と超炎には、賢の後ろに悪魔が一瞬見えたような気がした。