一つの夢が叶った事について

2007年12月31日月曜日。
コミックマーケット73 三日目。
私はこの日を忘れる事は無いだろう。

人にはそれぞれ、小さい頃から夢見た事や憧れなんかを抱いたりするものだと私は思っている。
そういうものが無いとそれはそれでとても寂しい気もする。


私は今でもそうだが、夢見がちな子供だった。
「○○になってみたい!」
「○○をしてみたい!」
そんな思いを、その時々で中身が変わりながらも胸に抱いて来た。

子供は形で二十歳という大人になり、色々な世の中という現実を見る事になる。
抗えない病気にもなった。
いくつもの事を諦めた。諦めざるを得なくなった。
「死」という文字もちらついた。

しかし、私は周りの人達に恵まれていたお陰で、下らない事を考えるのを止めた。
生きて、自分に何が出来るのか、生き続ける事でそれを確かめたかった。
確かめるだけでなく、生き続けられている恩を何らかの形で返したかった。

所詮一人の人間が出来る事なんて限られてる。
でも、多くの人と関わり合う事で、可能性は広がっていく。

子供の頃から、尻切れトンボのちょっとした文章の一片を書くのが精一杯だった。
それは、自分の頭の中にある想像した世界が先に行ってしまい、上手くまとめられず、
表現することも叶わなかった。

年をおう毎に、少しずつではあるけれど向上しては行ったものの、最後まで完結させる事が出来なかった。

そんな私にも転機が訪れる。
2004年の夏のコミケに向けてPSOのオフセット本を出す事になった。
そこで、初めて大きな物語を完成させる事が出来た。
これが、物凄く自分にとって大きかった。
この時は、既に2年ほど書いてあったものと、少しの加筆をまとめると言う形ではあったけれど
周りの協力で一冊の本として出す事が出来た。

それから三年半。
色々な経験を経て、今度は最初から最後まできちんと書く形で、
しかも、書店に並んでいるのと変わらない位のボリュームやカバーなどをつけて出す事が出来た。
文章の中身としての未熟さはあるものの、物書きとしては一つの夢が叶った瞬間だった。

全ての人に感謝した瞬間でもあった。

一同人作家、一表現者の端くれではあるが、
私個人としては本当に嬉しい事だった。
ついに、ここまで辿り着けたんだな、と。

勿論ここで終わらせるつもりもないし、終わるつもりも無い。
これからも、自分に出来る事と、新たな自分を模索しながら邁進したいと思っている。


大事な教えをいくつも授けてくれた祖母に
こんな自分だけど好きにさせてくれている親父殿に
去年残念ながら亡くなったが、コミケットという表現の場を生み、守り続けてくれていた米沢氏や跡を継いだ皆様に
私に多大な影響を与えて、同人の道へ導いてくれて、同人誌作りにも協力してくれた親友に
三年半前に、完成はまだかと尻を叩き続けてくれた貴方に
いつでも都合を付けてくれたり、空いていれば付き合ってくれ、病気の事を気にかけてくれる親友達に
こんな私にネットやリアルで出会い、色々な影響を与えてくれた皆々様に
ある意味、最初は絶望でしかなかった難病、クローン病にも

本当にありがとう

皆が居てくれたから、私はここに居れて、一つの夢を叶える事が出来ました。
これからも、手を抜く事無く精一杯生きて、頑張って行きたいと思う。
この命尽きるまで。