病、告知などについて

今、テレビ朝日系列で、相棒というドラマがやっています。
その中で、発病すると死に至る病の話をしていました。
それを見て改めて思ったり、考えたことをつらつらと。

 私はクローン病で死ぬ病ではないけれど、未だ原因不明、完治しない一生付き合っていくものだから、親父殿も複雑なんだろうなと思いました。
私はもうクローン病とは17年の付き合いになるし、しっかり向き合って、途中で受け入れているので構わないのだけれど、親父殿の心境を含めて、周りで心配してくれたり気遣ってくれる親友達や、友人、お知り合いは居てくれる事に感謝。

 話は変わって、私とは違い死ぬ病気で、既に短い一生を終えた人を知っています。本人は覚悟を決めて、最後まで力いっぱい生きました。
 私 やその人のように、受け入れられる人ばかりではないのは分かっている。知った事で沈み込んで、精神的にも病んでしまう可能性も十分にあるし、そういう人も見てきました。
だから、『告知』の良し悪しは分かりません。
ただ、それをする方、される方とも覚悟がいるって事は分かるつもりです。

もし、この先、私が死に至る病病になっても、重い病気になっても、私は告知して欲しいと思っています。
隠すなら最後まで隠し通して欲しいという考えもあるけれど、途中でバレてしまった時のショックを他の事でおおく経験しているので、言ってくれた方が楽だし、向き合えると思うので。


 私はクローン病という病にしっかり向き合って、受け入れて良かったと思っています。
まあ、病状が病状だったし、特定疾患という事で、内緒という訳にはいかなかったんだとは思います。

勿論、当時はショックだったし、年間三万人の仲間に入ろうって考えもしました。
でも、その道は選びませんでした。
先にも述べた通り、私には理解してくれたり、してくれようとする親父殿、親友達、友人、お知り合いの皆が居てくれたから。
数年前、会社を辞める時も、色々話をしました。
その時に、親父殿から、
「生きててくれれば、それだけで良い」
という言葉を貰って、嬉しくて泣いたし、この人の息子で本当に良かったって心底思いました。
親父殿のように理解を示してくれる人でなかったら、私はもうこの世にいないと思っています。
 私にとってクローン病は大きな分岐点でした。
後どれだけ続くか分からないが、きっと私の人生においても、とても大きな出来事、しかも強制的な出来事だったと思います。
実際に痛く、苦しく、辛い思いもしたし、精神的にも大きな痛手を負いました。
でも、痛みや苦しみを知り、経験したお陰で、人を思いやる気持ちがとても身近で当たり前になり、病気と向き合う事で時間はかかりましたが、精神的にも少しは成長出来たのかなと思っています。
病気をする前の学生時代からの親友皆から言われる事でもあり、自覚も出来るくらい、性格にもかなり変化をもたらしたとも思います。
そして、何よりも多くの方の支えがあって、今の自分がここに入れると思っています。

 忙しさや命の重さが軽視され、人が倒れていても無視する人が殆どという、実体験を含めて悲しい今のご時世。
 私も、病気になっていなかったら、無視する人になっていたんじゃないかなと思うので、寒気がします。
また、一病息災として、無理をしないように心がけたり、体調管理に気を遣うようになって、風邪等を引く回数が格段に減りました。
更に、いずれはベッドの上の覚悟が決まったので、動ける間に出来る事をやる。やりたいと思ったら出来るだけすぐに行動することを心掛けるようになりました。
お陰で、色々な場所へ行ったり、お知り合いが沢山出来たりと、病気になる事は悪い事ばかりではないと思っています。
勿論、辛いことはありますが、それを経験する事で得られるものも沢山あると思います。
少なくとも私は、掛け替えのない『健康』を失いましたが、代わりに人生に欠かせない沢山のものを得れたと思いますし、これからも得ていけると思っています。

 全てではないけれど、今まで見てきた中で健康な人は、病と本気で向き合う機会はなかな
かないだろうし、自分や近しい人がそうなって初めて、覚悟や意識を出来るものなのかなと思います。
 その時が来たら、当事者なり、当事者に近しい人の立場で、出来るならば真剣に向き合って欲しいし、理解や協力をしてあげて欲しいと私は思います。
それが例え、死に至る病でも、現代科学では一生治らない病だとしても。

 最後に、方法や考え方はそれぞれ。
ただ、どんな方法を取るのか、真剣に考えて貰えたら幸いです。

 この文章が、誰か一人にでもお役に立てる事を願って。