ウォーターランドへゴー(前編)

次の日・・・
チャオとフェリアーテはショッピングモールに来ていた。
フェリアーテの髪型は水に濡れるとストレートになるので、合わせる為に今日はあえてストレートにしていた。
「フェリーだったら何でも似合いそうだから、意外と選ぶのに時間がかかるかもだにゃ。」
「そうなのかい?」
フェリアーテは未だに水着が分かっておらず、生返事だった。
「ここには、知り合いがいるからその人に選んでもらうにゃ。」
「まあ、あたいは何でも良いんだけどね。」
「何でもだなんて駄目にゃ。折角のハオの誘惑チャンスだにゃ。」
「誘惑チャンスって・・・。何だかねえ。」
チャオの方がやる気満々なのでフェリアーテはちょっと呆れ気味に苦笑いしていた。

「チャオさんお久しぶりです。今日は何の御用ですか?」
「うん。こっちの水着ともしあれば、あたしに合う猫柄の水着があったら頂きたいにゃ。」
「かしこまりました。お二人共奥へどうぞ。」
声を掛けてきた、三十半ばくらいの女性はそう言って二人を奥の試着室へと連れて行った。
「とりあえず、数着持ってきますからここでお待ち下さい。」
試着室とはいうものの、普通の部屋にしか見えない。二人はソファに座った。

「お待たせしました。チャオさんにはこちらを、そちらの、えーと・・・。」
「フェリアーテだ。」
「失礼しました。フェリアーテさんにはこちらをどうぞ。あちらのスペースで一緒にお試し下さい。」
二人はそれぞれ水着を受け取って、少し離れたスペースへ移動した。
「付け方は下着と変わらにゃいから大丈夫にゃ。まずは着ているもの脱ぐにゃ。」
チャオとフェリアーテは服を脱いだ。
「むぅ・・・。」
「何だいチャオ?」
チャオの視線に気が付いたフェリアーテは不思議そうに聞いた。
「相変わらず、良いプロポーションだにゃ〜って。」
「そうなのかねえ?気にした事無いから分からないよ。」
「少なくとも、ハオが赤面するには十分なプロポーションだにゃ。にゃはは。」
「赤面してくれるのかねえ?」
笑いながら言うチャオに、自分の裸を見ながらフェリアーテは不思議そうに言った。
それから、ワンピースとビキニをそれぞれ二人共試着した。
「とりあえず、終りにゃ。そりで、後はこのコンソールで見れるにゃ。」
チャオは目の前にある端末で、画像を呼び出した。3Dのホログラフが映し出される。
「へえ、便利なもんだね。」
フェリアーテは感心したように良いながら、ホログラフを見た。
「よしっ!あたしは、この肩に猫柄が入っててNYANって文字の入ったのにするにゃ。」
「あたいは、この赤のかな。着けた時一番しっくりきてたからね。」
「決まりだにゃ〜。」
チャオがまたコンソールを叩くと、さっきの女の人が来た。
「この、N−1とR−3をお願いにゃ。支払いは後であたしの口座から一括引き落としでお願いにゃ。」
「かしこまりました。やっぱりチャオさんは可愛いのがお好きなんですね。」
女の人は微笑みながら言った。
「うんっ。それから、商品は持って帰るにゃ。すぐ使うから簡単に包んでにゃ。」
「はい。それにしてもフェリアーテさんは水着の似合う体系をしてらっしゃいますね。モデルさんですか?」
「いや、違うけどね。まあ、体系は気にした事無いよ。」
「プロポーションもさる事ながら髪と水着の赤、それに綺麗な白い肌をお持ちですから、きっと周囲の視線を集める事になりますよ。」
女の人は少し羨ましそうに見ながら言った。
「ふふっ、それも気にしないから良いかな。」
フェリアーテは少し笑いながら言った。
「さーて、後はヴィーナとかも遊べるもの買っていくにゃ。今日はありがとにゃ。」
チャオは女の人にぺこりとお辞儀していった。
「こちらは商売ですので。毎度ありがとうございました。また、来て下さいね。」
女の人の言葉にチャオは軽く手を振ってから店を後にした。その後、浮き輪やビーチボールなんかを買って二人はショッピングモールを後にした。


そして、当日・・・
十人の集団は、ウォーターランドの入口へ来ていた。
「うわ〜。すごいの〜。」
「うふふ〜。たのしみですぅ。」
ヴィーナとテムは目を輝かせていた。
「そういや、フェリー気になってるんだけどさ・・。」
「ん?何だい?」
ハオは少し気まずそうに聞いているので不思議そうに聞き返した。
「何でさ、今日は髪ストレートなんだ?」
ハオは一生懸命顔が赤くなるのと思い出さないようにと必死に我慢しながら聞いた。ストレートのフェリアーテを見ているとどうしても、肝試しの時の裸を思い出してしまうからだった。
「ああ、あたい特異体質でね。水とかに暫く体が浸かってると髪がストレートになるさね。元々水に浸かるの分かってるし、周りが驚かないように初めからこうして来たんだよ。」
「な、なるほどな。」
どもるハオを見て、不思議そうに見ていた。ハオの方はフェリアーテから目を逸らしていた。
「うっしっし〜。いけないなあハオ。」
「何だよw」
「どうせ、フェリーのは・だ・かを思い出してるんでしょう?」
「るせえな・・・。」
小声でハオとトロは言い合っていた。
「でもさ、あんまり目を逸らしてると変に思われるから気をつけなよ〜。」
「まてって・・・???」
トロはそう言って一緒に来たセシールと隣り合わせになっていた。全くのお揃いの服なのでどっちがどっちか分からない。ハオは良く見たがやはり見分けがつかない。
「どっちがどっちか分からねえぞ。」
ハオは少し自棄気味に言っていた。

「和夜〜。」
「ん?何なのじゃ?」
チャオが声を掛けてきたので和夜は振り向いた。
「後で、水着のみせっこしようにゃ。あたし可愛いの選んできたんだにゃ。」
「別に構わないのじゃ。どうせ、皆で見せ合う事になるだろうし。」
「そうだにゃ〜。楽しみだにゃ。にゃは。」
チャオは嬉しそうに言っていたが、和夜はちょっと心配していた。
「まあ、入口で言い合っててもしゃあねえ。とっとと行こうぜ。」
メビウスの言葉に全員がウォーターランドの入場ゲートをくぐった。

男子更衣室
「しっかし、裸になるといつもにも増して迫力ある良い体してるな。」
「そうか?まあ、裸になる事は少ねえな。そういうハオも細身にしちゃあ引き締まってるんじゃねえのかな。」
「比べるのが間違いってのもあるが、傷も結構あるんだな・・・。」
「これでも、かなり無くなったんだけどな。チャオが大分消してくれたからな。今あるのは新しく出来たもんかな。」
(それでも、結構あるな・・・。昔は傷だらけだったって事か。俺だったら死んでるかもな。)
ハオはそんな事を思いながら着替えていた。
「野郎同士で裸見て誉めあっててもしょうがねえ。さっさと行って待ってようぜ。」
「ああ、そうだな。」
メビウスの言葉にハオは笑いながら頷いた。

女子更衣室
「わーいなの〜。」
「おういぇ〜♪」
「ほら、ヴィーナ大人しく着替えなって。」
ヴィーナは嬉しくて仕方が無く、更衣室をチョロチョロ歩き回っていた。テムも一緒になって走り回っていた。
元気な二人とは対称的にセシールは大人しく恥ずかしそうに着替えていた。そのすぐ横でトロはまだ着替えていなかった。
「あの・・・。トロさん?」
「うん?何かな着替え途中のセシール君。バスタオルがずり落ちそうだよ。」
「ええっ!?」
先に聞いていたセシールの方が驚いて、バスタオルを握り締めていた。
「うっしっし〜。冗談だよ〜ん。」
真っ赤な顔をして焦っていたセシールは怒ろうとして手を上げようとして、本当にバスタオルがずり落ちそうになってワタワタしていた。
「じゃじゃ〜ん。あたしは既に下に着ているのでした〜。」
そう言ってトロは上着を脱ぎ捨てた。そうすると、ピンクのフリフリが姿をあらわした。
「な、それで泳ぐじゃ!?セシールもお揃いって言ってたのじゃ!?」
流石に驚いた和夜は思わず指差していった。
「ち、違います!」
まだ、立ち直りきれていないセシールだったがきっぱりと否定した。
「おろ?いけね。パジャマも着っぱなしだった。」
トロは頭を掻きながらピンクのフリフリも脱いだ。すると白と水色の斜めストライプのワンピースの水着が現れた。
「それが、パジャマというのも問題あると思うのじゃ・・・。」
和夜はジト目でトロを見ていた。
そんなうちに、ヴィーナとテム以外は着替え終わった。
「ほーら、ヴィーナこっち来な。」
ヴィクスンの言葉にも耳を貸さずにテムとはしゃいでいる。
「仕方ないにゃ〜・・・。」
そう言うチャオを離れている二人意外は見ていた。そして、フェリアーテと和夜以外はそれを見てギョッとしていた。
「ヴィ〜ナ〜。テム〜。言う事聞かないと〜。じゅるる・・・。」
チャオの発した言葉にその場で瞬間的に凍りつく二人。
恐る恐る、チャオの方を見ると・・・そこには、
「!?!?」
「ひえぇ!」
肝試しの時に見た口裂けチャオが立っていた。二人はお互いに抱き合ってガタガタ震えていた。
「早く着替えるにゃ〜。」
チャオの言葉にコクコクと頷いてあっという間に着替えた。その間にチャオは口裂けのお面を荷物に隠した。
そして、着替え終わった後、二人は恐る恐るチャオの方を見た。チャオは背中を見せていて顔が分からない。
「ちゃ、ちゃおさん?」
「ちゃおおばちゃん?」
二人は消え入りそうな声でチャオを呼んだ。
「どうしたにゃ?」
振り返ったチャオは普通のチャオだった。二人はホッとしていた。
「さあ、ハオとめびぞ〜が待ってるにゃ。レッツゴ〜にゃ!」
チャオの掛け声で全員は更衣室を後にした。