新たな出会い

「はあ、何か面白い事ないかなあ。」
トロは何時でも楽しい事を追い求めラグオルやパイオニア2を駆け回っていた。
今日はラグオルが展望できるロビーでラグオルを眺めていた。
「とろさんやほぅ〜♪」
聞いた事のある挨拶の声が後ろで聞こえた。
トロは直ぐに振り向いた。ぼんぼんを付けた良く知っているフォニュエールが立っていた。
「テムやほ〜。」
明るく挨拶を返した。
「とろさん、どしたですか?」
テムは下から覗き込んで聞いた。
「何か面白い事無いかなあって思って。そのうちラグオル見てたら面白い事何か思い浮かばないかな〜ってね。」
少し真面目な顔をして答えるトロ。
「ふ〜む。まあふかくかんがえず、またりといきまそう。」
身長差があるので軽く腿の辺りをぺしぺし叩きながらのほほ〜んとした口調で言った。
「そうだね。じゃあ、いつものロビーにでも行こうか?」
「おういえ〜♪」
テムはちょこちょこ走り回りながらトロの後を着いていった。


「チャオ!」
チャオは最近お気に入りのロビーにやってきた。憩いの場とはまた雰囲気の違った楽しいロビーだった。雰囲気もそうだが最近ではここにいる人物に会いに来ているのというのが正解だった。
「お!チャオ来たな。」
綺麗なエメラルドグリーンの髪に赤い神官着とカラフルなハオはチャオのお気に入りだった。
「ハオ〜。にゅふふ。」
会うなりチャオはニヤリと笑う。
「何だよw」
ハオはチャオのいきなりの態度に素早く突っ込んだ。
「昨日、フェリーとなにがあったにゃ?」
「う・・・。」
言葉に詰まるハオをチャオはニヤニヤと見ている。
そして、その時ロビーに誰かが転送してきた。
(助かった。)
ハオはホッと胸を撫で下ろしていた。
「ハオ様〜w」
「はおさんやほ〜。」
転送されて来た二人を見てハオはこけそうになっていた。
「チャオ!ハオの知り合いかにゃ。」
チャオは二人に挨拶してからハオに聞いた。
「まあな、チャオとは気が合うんじゃないのか?それとさっきの事はくれぐれも二人には・・・って、待てw」
チャオは「まあな」の所で既に二人と話をしていた。
「そりでね〜・・・。」
「うっしっし〜。」
「おお〜。」
ハオは三人の方をジト目で見ていた。そんな事はお構い無しに、チャオはトロの笑い方が気に入っていた。
「何だよ?はっきり言いたい事があれば言えよ。」
ハオは半ば自棄になって言った。
「言っちゃって良いのかにゃ?にゅっしっし〜。」
「うっしっし〜。」
「おういえ〜♪」
チャオはニヤリと笑って。他の二人はそれに便乗した様な形で言った。
「待てw」
「またにゃい」
いつものお約束の言葉がハオとチャオの間で交わされる。
「いいから待てw」
とは言うもののハオは相手が三人と言う事、そして、それぞれが強敵である事は分かっていた。正直どうしたものかと迷っていた。
そして、ハオに更なる強敵が出現した。また一人ロビーに転送されてくる。
「ハオ様。」
声を聞いて誰だかはもう分かっていた。ハオがかなり苦手とする一人だった。
「待てw何で様を付ける?」
「にゅ?」
「うん?」
「どしたの?」
ハオはこの状態に言ったのだが、待っている状態の三人は不思議そうにハオの方を見ていた。
「おろ?フェリー。今日はお出かけじゃなかったのかにゃ?」
チャオは転送されて来た方を見ながら言った。
「ああ、とりあえず用事はもう済んだよ。」
そう、声の主はフェリアーテだった。
(ふう、どうやら俺から話題が逸れたな。)
ハオは二人が話していて自分に話題が回って来ないので安心していた。
「あのね〜。こっちはフェリー。それでねこっちはトロとテムにゃ。」
チャオはそれぞれに紹介した。
「あたいは、フェリアーテ。チャオの所で居候してるさね。フェリーって呼んどくれ。」
先にフェリアーテの方から自己紹介した。
「あたしはトロよ〜ん。よろしく〜。」
「あたしはてむ。よろりん〜。」
(あの二人どう見てもセット・・・いやコンビだよなあ。)
トロとテムを見てハオは思っていた。
「そりで、話は戻るけどもしかしてハオに会いに来たにゃ?」
「ふふっ。まあね」
その会話を聞いて安心していたハオはギクッとなる。
「にゅふふ。あちしたち見ててもいいのかにゃ〜。にゅっしっし〜。」
「どうかなあ?にっしっし〜。」
「うふふ。おういえ〜♪」
三人は初めて会ってからほとんど時間が経っていないのに絶妙なチームワークを見せていた。
「そこの三人待てw」
ハオは三人に釘を刺す。
「じゃあ、あたいは待たなくて良いんだね?」
ニヤッと笑ってフェリアーテは何時の間にかハオの横にいた。
「待てw」
「待たないさね」
ハオに言葉で止められていたがフェリアーテはハオの頬に軽くキスをした。
「な!・・・。」
ハオはその場で着ている服並に真っ赤になった。
「おお〜!」
三人はハモって声をあげた。
「ふふっ。じゃあまたね。」
フェリアーテはそれだけ言うとロビーから去っていった。そして、三人はぼそぼそと話をしている。
「じゃあ、そ〜ゆ〜事で。まったね〜。にゅっしっし〜。チャオ♪バイバイ!」
チャオがハオも含めて三人に別れの挨拶をして去っていった。
「てめえら、今の事他の奴にばらしたら・・・。」
ハオは本気だった。言葉にも態度にも迫力が出ていた。
「にっしっし〜。大丈夫!」
「おういえ〜♪」
トロとテムのはそんな態度にもマイペースな反応だった。その反応にいまいち安心出来ないハオだった。その後話を蒸し返す事も無くはいつもの他愛も無い話で三人は話していた。そして、また別の人がロビーへやってきた。
「あいさつろび〜へよこそ〜。」
「挨拶運動まっさかりなのだ〜。」
「ばんわ。」
いつものようにテム、トロ、ハオはロビーへの新しいお客さんを迎えた。