危険なおもちゃ(前編)
「ただいまぁ。」
プレアのボディは少し傷ついていた。
「うにゃ!?プレア何処行ってたにゃ?それに、それは一体何にゃ???」
チャオはプレアの持っている武器らしいものを見て聞いた。
「今日もよう分からん遺跡へ行って奥へのルート見つけてたんですわぁ。それでぇ、途中で偉いロートルな物があるなぁ思うたら、これでしたわぁ。多分実弾兵器のバズーカ砲の一種やと思いますわぁ。」
プレアはそう良いながら軽くバズーカをコンコンと叩いた。
「それ、使えるのかにゃ?」
「使えるんやけどぉ、性能はいまいちやわぁ。うちからするとぉ、使い物にはならへんねぇ。」
「そっか〜。じゃあそれどうするにゃ?」
チャオは不思議そうに聞いた。
「武器博物館にでも寄付しようと思うたんよぉ。」
「おお!それは良い考えにゃ。」
「明日持ってくさかい、今日はおかしておいてなぁ。」
「うんっ!その辺に置いておくと良いにゃ。」
この後、まさかこのバズーカが一騒動を巻き起こす原因になるとはチャオもプレアも予想していなかった。
夕食後・・・
ヴィーナは不思議そうにバズーカを見ていた。
時々首を傾げたり、しゃがみ込んで下から見上げたりしていた。
誰かに聞こうと思って周りを見たが、誰もいなかった。
「これはなんですの〜?」
目をぱちくりしながら聞いて欲しい相手がいないヴィーナはその場で呟いた。残念ながらそれに答えてくれる人はいなかった。
ヴィーナは発射口から中を覗き込んだりし始めた。見た目の大きさよりも軽く、ヴィーナでも簡単に持ったりする事が出来た。
「なんか面白いの〜。」
ヴィーナはキャッキャッと騒ぎながらバズーカをいじっていた。
暫くしてヴィーナは遊び疲れてバズーカを抱えながら眠っていた。
次の日・・・
「あらぁ!バズーカがあらへんわぁ!」
プレアは置いておいた所にバズーカが無い事に気がついて驚いていた。
「チャオはん、バズーカがあらへんわぁ。」
「にゃんですと!?」
キッチンで朝ご飯の片づけをしていたチャオもプレアの言葉に驚いた。二人は急いでバズーカの置いてあった所へ走っていった。
「一体・・・誰が持っていったにゃ?」
チャオは首を傾げながら考え始めた。
「ん?チャオにプレアどうしたんだ?」
二人を見たメビウスが不思議そうに聞いた。
「実はぁ、昨日ここにバズーカ置いておいたんやけどぉ、今朝無くなってしもうたんやわぁ。」
「うーん、昨日ヴィーナが見てたような気はしたけどまさかな・・・。ちと、ヴィーナに聞いてみるか。おーい、ヴィーナ!」
メビウスが呼ぶが返事が無い。
「おーい、ヴィク。ヴィーナいないか?」
「ん?何だい?さっき出ていかなかったかい?」
ヴィクスンが何事かと奥から顔を出した。
「出ていった(にゃ)!!!」
三人はヴィクスンの言葉に思わずハモっていた。
「どうしたってんだい???」
ヴィクスンは目をぱちくりしていた。
そんな頃、ヴィーナはアカデミーの入口に立っていた。
「たぶん、はおちゃんならこれがなにかわかるの〜。」
そう言いながらアカデミーへと入っていった。
アカデミーの生徒や教授は不思議そうにヴィーナを見ていた。逆にヴィーナの方も不思議そうに見返していた。
「あーあ、暇だ・・・。」
ハオは窓の外を見ながら欠伸をしていた。
「面白れえ事ねえかなあ・・・。トロの寒いギャグはゴメンだがな。」
授業の合間の待ち時間で暇を持て余していた。
「面白い事・・・。」
ハオは呟きながら目を閉じていた。
{ハオ・・・。}
「ぷっ!」
ハオは思わず吹き出していた。
{何で、フェリーが出てくんだよ・・・。しかも・・・・キスシ・・・。}
「はおちゃん!」
突然声をかけられびっくりしたハオは少しワタワタしていた。ヴィーナは不思議そうにその様子を見上げていた。
「ん?何だ、ヴィーナか・・・って、待てw」
ハオは少し赤い顔のまま誤魔化す様にヴィーナに思わずツッコンだ。
「はおちゃん。これななんなの〜?」
ヴィーナは担いでるバズーカをハオに見せた。
「ん?何かの武器かな?じゃなくて、何でここにいるんだ?」
「ぶき〜。どか〜ん。どか〜ん。」
「って、聞いてねえよw」
ハオは呆れた様にヴィーナを見ていた。しかし、その呆れ顔が驚きに変わったのは2秒後だった。
ズドーーーン!!!
ヴィーナの持っているバズーカから弾が発射され、講堂の電子黒板を破壊した。
「待てw」
ハオは驚いていたが、思わず突っ込んでいた。